日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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伝貧馬の流血中に於ける遊離フェリチンに関する病態生理学的研究 : III. 伝貧馬の臨床的症状に及ぼす循環フェリチンの影響について
大木 与志雄藤田 潯吉
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1959 年 21 巻 4 号 p. 241-256_1

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抄録
1) 伝貧馬に於ては, その発熱並びに臨床的症状の軽重と頸静脈血清中に於ける循環Ferritinの消長とが略々並行ずる事が観察された. 特に重篤な急性症状で倒れた2頭の伝貧馬に於てはその頸静脈血清中に, 多量の循環Ferritin(N6~10γ/cc serum)の存在する事が主として補体結合反応,沈降反応並びに白血球の"喰蛋白現象"等の免疫学的方法によって証明された. 2) 上述の重症伝貧馬に於ける循環Ferritinと略々同等の濃度(Ferritin N 5~12γ/cc)になるように, 馬脾臓結晶性Ferritin (N 45~100 mg以上)を健康馬並びに伝貧耐過馬に対し, 人為的に静注する事により, 後脚疲労乃至歩行異常等の前駆症状を経て, 約1時間後, 著明な急性伝貧様症状で倒れるに至り, 同時に著しい中心性, 末梢性循環障害, 呼吸障害, 大静脈系欝血, 並びに血球数の変動等一連の病態生埋的変化が観察され, 稍々恢復起立すると共に悪感震えが始まり, 其の後明瞭な発熱(39~41℃)が認められた. 3) このような馬Ferritinの毒性に対する感受性は動物の種によって著しく異なり, 山羊は馬より若干鈍感であるが, 略々同様な傾向を示し, 著明な急性症状で倒れると共に, 同様な一連の臨床症状並びに剖検像が観察されたが, 家兎に於ては発熱, 血球数の減少等かなり鋭敏に反応したが, 外見症状としては特に有意な変化は認められなかった. 其の他モルモット, 犬, マウス等は更に鈍感であり, 強い抵抗性を示した. 4) Ferritinの生理的活性は必ずしも一定でなく, 材料により若干の相違が認められ, 特に伝貧馬に於けるFerritinは健康馬のそれより若干毒性が強いという傾向が観察された. 又還元Ferritinは酸化型Ferritinよりもかなり毒性が強く且っ遙に速効的であった. 5) in vitroに於ける馬Ferritin (変性或は家兎抗血清添加)に対する馬白血球の貧喰現象により, 人為的に多数の担鉄細胞(単球及び好中球, 白血球一万箇につき約100~5000箇)をつくり得た.
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© 社団法人 日本獣医学会
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