日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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馬パラチフス菌の集落型について
添川 正夫上田 貞善松本 邦人伊沢 久夫
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1961 年 23 巻 4 号 p. 255-263_1

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抄録
1) 普通寒天平板37℃ 24時間培養所見では斉しく smooth form を示す馬パラチフス菌集落が, さらに3日間平板を室温に放置することにより, 引続き smooth form を保つ集落(I型), 中央部陥凹と該部が顆粒状となる集落(II型), および rough form に近い形状を示す集落(III型)とに分れることを知った. 現在のところ, 血清学的性状, 健常馬血清の溶菌作用に対する抵抗性, 酸凝集, トリパフラビン試験の上からはこれら3集落型を区別し得ないが, 集落型の不安定性, マウスに対する毒力の点から上記I型集落を原型と考える. 2) 流産胎児胃液からの分離初代菌, 各型菌接種マウスからの分離初代菌は何れもI型集落であった. なお, 菌接種マウス脾からの分離初代菌について調べたところ, a;e, n, x;z5血清の何れにも凝集しなかった. かかる菌も寒天培養を重ねることによりe, n, x血清に凝集して来るのが見られたので, 鞭毛の発達と各型集落との関係が今後追及せられねばならない.
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