日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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と殺された牛および豚から分離した赤痢菌について
上田 貞善佐々木 論甲 充二野宮 渉
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1963 年 25 巻 2 号 p. 127-128

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抄録
私どもは1959年11月から12月の1カ月間にわたり広島県下のと畜場に搬入された牛の腸間膜淋巴節およびふん便各々467例,豚の腸間膜淋巴節およびふん便各々216例について赤痢菌の検索を実施し,次の如き成績が得られた.1.牛の腸間膜淋巴節467例中1例(0.2%)からShigellafexneri2bを検出した.2.豚のふん便216例中2例(0.9%)からShiーgella2aを検出した.3.牛のふん便および豚の腸間膜淋巴節からは赤痢菌は検出されなかった.牛及び豚から赤痢菌が検出されたのはわが国では本例が最初の例と見做される.なおこのような保菌例の存在は,これらの動物が赤痢の媒介者となり得ることを示唆するものであって,公衆衛生上軽視出来ない事実と考えられる,
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