1966 年 28 巻 3 号 p. 103-105_1
Micro浄Orumcanisは空中および土壌からも分離検出されている。また,本菌のケラチン分解性と,各種の自然培地や土壌平板における棲息性が確認されている。著者らは,種々の条件下で,M.canis感染被毛を培養し,これを検討している。今回は水培養について報告する。M.canisに起因するringworm罹患の3カ月令仔犬から,被毛を採取して供用した。Wood灯下で螢光を発する犬の被毛を,滅菌蒸溜水に接種し,25°Cで培養した。接種後まもなく,被毛のWood灯下の螢光度は減退し,培養水に螢光が認められた。次いで2~3日後に,被毛の螢光は全く消失した。水面浮遊の被毛からは,1~2日で菌糸が発育し,4~5日でmacroconidiaが発生した。菌糸の発育は,水面のみならず,水中にも認められた。しかし水中に沈んだ被毛では,菌糸の発育が悪く,macro-conidiaの産生もほとんど認められなかった。