日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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猫の鉤虫症に関する実験的研究 : VIII. Ancylostoma 感染猫の治療および診断について
大越 伸村田 義彦
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1968 年 30 巻 3 号 p. 167-173

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抄録
Ancylostomatubaeformeを人工感染させた猫においてDisophenolとTctrach10rocthyleneによる駆虫試験を行ない,また感染猫の診断法について検討した結果,次のような所見を得た.1. Disophenolを,猫の体重1kg当たり6~7mg1回皮下注射したところ,すぐれた駆虫効果が得られた.2. Tctrachloroethylcneを,猫の体重1kg当たり 200~300mg1回経口投与したところ,本剤もすぐれた駆虫効果を示した.3.両種の駆虫剤とも,上記の投与量では,猫に対する副作用が,ほとんど認められなかった.4.猫からの採取便が少量で,かつ糞便内に含有された鉤虫卵が少数の場合においても,飽和食塩液浮遊法を用い,10~30分間静置した後に検査すれば,猫の鉤虫症は,高率に診断可能であることを認めた.
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© 社団法人 日本獣医学会
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