日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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牛疫ウイルス感染培養細胞の螢光抗体法による観察
牛島 毅田島 正典岸 茂
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1969 年 31 巻 2 号 p. 43-49_1

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抄録
牛腎細胞の初代培養に牛疫ウイルスLT株を接種しIこのち,経時的に採取した材料に対して,感染価の定量,螢光抗体法および光学顕微鏡による観察を行なった.結果は次のごとく要約される.1)細胞相における感染価は,ウィルス接種2日後に増加を始め,9日後まで高い価を保っIこ.液相の感染価は,前者より常に低かっナこ.補体結合抗原の証明によって測定しIこ感染価は,細胞変性効果によって測定した感染価と同程度か,あるいはわずかに高かっrこ.2)特異螢光抗原は,ウイルス接種24時間後に,核に近接する細胞質の部分に出現を始めナこ.時間の経過とともに,螢光抗原はその数と大きさを増し,球状あるいは不規則な形のかナこまりとなった.そしてついには,細胞質全体を満1こすようになった.一部の感染細胞では,核に弱い螢光をもつ顆粒が接種3日後に出現を始めた.3)光学顕微鏡による観察では,接種2日後に,細胞変性効果,多核巨細胞および細胞質封入体の出現が認められ始め,核内封入体は3日以後出現を始めIこ.これらの所見は,感染の進行とともに,次第に著しくなっナこ.細胞質封入体が大型の螢光顆粒と同一であることが,染めかえ標本において確かめられた.4)細胞質が牛疫ウイルス合成の主要な部位であること,ならびに細胞質封入体がウイルス合成と密接な関係にあることが示唆されナこ.核内封人体の意義は,今後の研究によって明らかにされなければならない.
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