日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ネコの呼吸器疾患より分離した細胞変性ウイルスに関する研究 : II. ネコのピコルナウイルスの性状と分類
高橋 英司小西 信一郎尾形 学
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1971 年 33 巻 2 号 p. 81-87

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抄録
著者らは,すでにネコの呼吸器疾患より分離した細胞変性ウイルスが,エーテル耐性で赤血球凝集性がなく,CF抗原性は共通であるが,中和試験で2型以上に分けられることなどを報告した(1968年).困E今回の報告では,それらのウイルスの物理化学的性状を明らかにし,ウイルスの分類を検討するとともに,米国,スイス,イタリアから分与された外国分離株との血清学的関連性を検討した.これらのウイルスは,RNA型であV),pH3.0にやや不安定,500C30分の加熱にやや不安定で,さらにIMMgC12存在下での熱抵抗性の増進が若干みられた.また孔径50mμのフィル夕-を容易に通過した.これらのことから,このウイルスは動物のピコルナウイルスに属し,エンテロウイルスとライノウイルスの中間に位置するものと考えられた.また27株中4株が, Vero細胞中で増殖を示し,CPEを起こすことが認められ,とくにこの4株は,ライノウイルスにより近縁であることも想像される.血清学的試験の結果,教室分離株27株は中和試験により,少なくとも5型以上の血清型に分けられた.外国分離株と比較すると,CF抗原性は共通であるが,中和試験では米国分離株の2株のみが教室分離株F14の抗血清により中和された.
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