日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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Leucocytozoon caulleryi感染鶏における寒冷血球凝集素
藤崎 幸蔵三浦 克洋高松 治久北岡 茂男森井 勤鈴木 恭
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1979 年 41 巻 4 号 p. 385-390

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抄録

実験的にL. caulleryiを感染させた鶏の経過血漿について, 自己の赤血球を凝集する寒冷凝集素の有無を調べ, その免疫学的性質を検討した. その結果, 感染鶏全例に寒冷凝集素が認められ, その出現様相は1峰性と2峰性の2種に区別できた. これらの凝集素は, 直接抗グロブリン試験の結果, パラシテミア, ゲル内沈降反応による抗原の検出成績などから, 原虫由来の物質とは考えられず, 一種の病的寒冷凝集素(自己抗体)とみなされた. 今後, L. caulleryi感染鶏における貧血と寒冷凝集素との関連についてさらに検討する必要があろう.

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