猫ヘモバルトネラ症に関する研究 : VI. 赤血球脂質の変動および赤血球浸透圧脆弱性に及ぼすその影響
1980 年 42 巻 3 号 p. 281-288
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1980 年 42 巻 3 号 p. 281-288
Haemobartonella felis人工感染猫を用いて, 感染に伴う赤血球膜脂質の変動を調べ, 赤血球浸透圧脆弱性との関連を検討した. その結果, 貧血の進行および赤血球浸透圧脆弱性の亢進に比例して赤血球コレステロールおよびリン脂質両者の著明な減少がみられた. しかし血漿コレステロールおよびリン脂質には有意の変動はみられなかった. また赤血球リン脂質のクラス組成には変化がなかった. 一方, 貧血の進行と共に赤血球の平均直径は短縮したが, 貧血の回復と共に増大した. 以上の成績について, 赤血球膜脂質減少の原因に関する若干の考察を試みた.
