日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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鶏のリンパ性白血病の血清中に出現する低分子IgMの精製, 免疫化学的性状および定量
石井 博大木 与志雄
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1981 年 43 巻 3 号 p. 369-374

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抄録
鶏のリンパ性白血病の血清中に出現する低分子(LMW) IgMを塩析法とカラムクロマトグラフィーにより精製した. 精製したLMW IgMは, 寒天ゲル内沈降反応において, 19S-IgMから精製した7S-IgMと同一の抗原性を示した. 免疫電気泳動法においては, LMW IgMに易動度の異なる2型(M1型, M2型)の存在が認められた. リンパ性白血病鶏の血清中のLMW IgMを単円および復円免疫拡散法により定量した結果, 3.1~9.8mg/mlの範囲であった. 健康鶏および他の疾患の鶏の血清中には, LMW IgMは認められなかった. 以上の結果から, この免疫化学的分析により, 鶏のリンパ性白血病の診断が可能であることが示された.
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