抄録
鶏のリンパ性白血病の血清中に出現する低分子(LMW) IgMを塩析法とカラムクロマトグラフィーにより精製した. 精製したLMW IgMは, 寒天ゲル内沈降反応において, 19S-IgMから精製した7S-IgMと同一の抗原性を示した. 免疫電気泳動法においては, LMW IgMに易動度の異なる2型(M1型, M2型)の存在が認められた. リンパ性白血病鶏の血清中のLMW IgMを単円および復円免疫拡散法により定量した結果, 3.1~9.8mg/mlの範囲であった. 健康鶏および他の疾患の鶏の血清中には, LMW IgMは認められなかった. 以上の結果から, この免疫化学的分析により, 鶏のリンパ性白血病の診断が可能であることが示された.