抄録
レプトスピラ型特異多糖体抗原(TM抗原)の抗原決定基に関する研究の一環として, Leptospira interrogans serovar kremastos Kyoto 株のTM抗原を 2N 蟻酸あるいは 0.5N 硫酸で加水分解した. 両処理で各々限外ろ液に抗原活性を示す低分子物質を得たが, ゲルろ過したところ, 蟻酸分解でより均一な低分子活性物質が得られることがわかった. この物質は分子量約3,000ダルトンと推定され, TM抗原に含まれたタンパク成分および脂肪酸成分をほとんば含まず, 主に糖成分より構成されていた. この物質は抗体と沈降反応を示さなかったが, 型特異的放射免疫測定法で阻止活性を示した. 以上の結果から抗原決定基として糖鎖が示唆されたが, その可能性に関して考察された.