日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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アドレナリン, グルカゴン, ハイドロコーチゾン, サイロキシンあるいはインシュリン投与のラット膵外分泌に及ぼす影響
原田 悦守加藤 清雄
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1982 年 44 巻 4 号 p. 589-596

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抄録
アドレナリン, グルカゴン, ハイドロコーチゾン, サイロキシンおよびインシュリンを7日間投与したラットについて, CCK-PZ (0.2U/100g体重) による膵外分泌反応と膵臓のアミラーゼ含量を調べた. インシュリンあるいはサイロキシン処置によって, 静止時の膵液流量と蛋白放出量は対照群よりも増加し, CCK-PZによるこれらの反応も約3倍増大した. ハイドロコーチゾン処置群の CCK-PZ による膵液流量は抑制されたが, 蛋白放出量は変らなかった. 膵液と膵臓に含まれる蛋白に対するアミラーゼの比率は, アドレナリン, グルカゴンあるいはサイロキシン処置群で減少していたが, インシュリンとハイドロコーチゾン処置群では変らなかった. 血漿のグルコース, 遊離脂肪酸とインシュリン濃度の変化は, アドレナリン, グルカゴンとサイロキシン処置群のアミラーゼ含量の減少と直接関連していなかった. これらの結果は, アドレナリン, グルカゴン, サイロキシン及びインシュリンが膵臓のアミラーゼの合成及び放出あるいはそのいずれかを調節している可能性を示している.
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