抄録
鶏網膜視神経細胞層の視神経細胞, とくにα型細胞の分布について, cresyl violet で染色した whole mount preparation によって, 観察した. 視神経細胞は, もっとも高い密度をしめす中心野を中心として superior-temporal の方向にひろがる卵円形の同心円性の等密度線を画いて分布しており, 線状中心野の形成はなかった. 生理学的に brisk-transient unit に相当し, 速かに動く像を知覚する機能をもつとされているα型細胞は, 数的に少数ながら中心野にも存在し, 周辺に向うに従って多かった. とくに inferior-temperior, inferior, inferior-nasal, nasal および superior-nasalの部でより多く, その他の部では比較的少数で, ほ乳類の分布とは異なっていた.