馬由来2株, 牛由来5株のクェン酸陽性(Cit
+)大腸菌計7株について, クェン酸利用性状の伝達性およびプラスミド保有状況を調べた. すべてのCit
+大腸菌において, プラスミドの保有はみられたが, その性状は大腸菌K-12株に伝達されなかった. 馬由来2株(OH3025, OH3026)は約60メガダルトンのプラスミドを保有しており, OH3026株のプラスミドは, Citプラスミドであることが判明したが, OH3025株に関しては明らかでなかった. 牛由来5株の内2株(OH3035とOH3036)から調製したプラスミドDNAは, 形質転換実験でCit
+株が得られたが, 残りの3株については, プラスミド保有にかかわらず, Cit
+株は得られなかった. つぎに, 代表的非伝達性CitプラスミドpOH3035(20.5Kb)を制限酵素により解析し, Cit
+性状をpBR322へクローニングした. pOH3035のEcoRI-B fragment(5.5Kb)をクローニングして得た組換えプラスミドpOH8について, Cit
+性状の転位性を物理的ないし遺伝学的に検索したが, pOH3035と同様に転位可能なCit
+遺伝子は得られなかった. またpOH3035の制限酵素地図をpOH2の地図と比較したところ, 両プラスミドのCit
+遺伝子上に, よく以たBamHIおよびBglIIのサイトが見られた.
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