日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
Print ISSN : 0021-5295
ISSN-L : 0021-5295
45 巻, 3 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 西川 禎一, 立花 文夫, 工藤 忠明, 大友 勘十郎, 小池 寿男
    1983 年 45 巻 3 号 p. 281-287
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Lipiodol Ultra-Fluide (LUF)を用いるイヌ後肢のリンパ系造影法が, 犬体におよぼす影響を知るため, 健常成犬24頭を(1)造影対照群-リンゲル液0.4ml/kgリンパ管内注入; (2)リンパ系造影群-LUF0.4ml/kg リンパ管内注入; (3)静脈内投与群-LUF0.4ml/kg静脈内投与; (4)静脈内大量投与群-LUFl.2ml/kg 静脈内投与群, の4群に分け, 臨床および血液所見について経時的に検討した. 対照群では特に異常はみられなかったが, 造影群では注入後に創傷治癒遅延および咳嗽を示すものが各2例あった. さらに造影直後の胸部X線撮影で2例に樹枝状像が観察されたが, 血液検査では赤沈の促進を除き異常は認められなかった. 投与後静脈内投与群2例において咳嗽が観察され, 胸部X線撮影では全例に粒子状像あるいは網状像が見られた. しかし, 血液検査では異常を認めなかった. 静脈内大量与群では4例が重篤な臨床症状を示し, 体温および血液pHの低下と血糖値の上昇が観察され, 白血球もストレス様を示した.
  • 上嶋 俊彦, 上原 正人
    1983 年 45 巻 3 号 p. 289-295
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    鶏網膜視神経細胞層の視神経細胞, とくにα型細胞の分布について, cresyl violet で染色した whole mount preparation によって, 観察した. 視神経細胞は, もっとも高い密度をしめす中心野を中心として superior-temporal の方向にひろがる卵円形の同心円性の等密度線を画いて分布しており, 線状中心野の形成はなかった. 生理学的に brisk-transient unit に相当し, 速かに動く像を知覚する機能をもつとされているα型細胞は, 数的に少数ながら中心野にも存在し, 周辺に向うに従って多かった. とくに inferior-temperior, inferior, inferior-nasal, nasal および superior-nasalの部でより多く, その他の部では比較的少数で, ほ乳類の分布とは異なっていた.
  • 小嶋 明廣, 高田 博, 山中 久, 岡庭 梓, 土井 邦雄, 八十島 昭
    1983 年 45 巻 3 号 p. 297-304
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    唾液腺涙腺炎(SDA)ウイルス930-10株を2日齢ddYマウスに脳内あるいは鼻腔内接種すると, 中枢神経症状を呈した. 発症マウスの病変は, 接種経路に関わらず大脳皮質の一部に対称性に限局して認められ, 神経細胞の変性を主徴とし, 炎症性変化に乏しかった.変性神経細胞にはコロナウイルス粒子の増殖が確認された. 発症マウス脳内ではウイルスの増殖が認められたが, 肺での増殖は鼻腔内接種例のみに認められた. 免疫蛍光法により左右の大脳皮質のStratum pyramidale subiculi および Cortex cerebri, area entorhinalis の神経細胞層に一致してウイルス抗原の存在を認めた.
  • 後藤 直彰, 川村 正道, 井上 誠, 佐藤 昭夫
    1983 年 45 巻 3 号 p. 305-312
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    犬の播種性 Hypereosinophilic disease 2例を病理学的に検討した. 主な臨床症状は体重減少と重度の呼吸困難, 発咳で, 1例では斃死直前に血液性下痢を認めた. 剖検では, 胸腔内気管周囲に直径約4cmの結合織に富んだ腫瘤が両例にみられ, 同様の結節状または境界不明瞭な病巣が肺, 肝, 脾にも播種性に認められた. これらの病巣に加えて, 1例では皮膚および消化管に重度の変化がみられ, 他の1例では腎およびリンパ様組織に病変を認めた. 組織学的には, 病巣はいずれも結合織の増生性変化と好酸球およびプラズマ細胞の集積からなり, 一部結合織の変性もみられた. 好酸球の脱類粒が微細形態的に認められ, 病因として免疫学的機序の関与が示唆された.
  • 佐々木 博之, 西田 隆雄, 望月 公子
    1983 年 45 巻 3 号 p. 313-321
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ホロホロチョウの尿洞およびファーラス上皮の細胞間連結装置を超薄切片法および凍結割断法を用いて調べた. 外側ファーラス体先端部の重層扁平上皮では, 上皮細胞間に接着斑のみが認められた. 一方, 外側ファーラス体基部および周辺のリンパヒダは重層および多列円柱上皮によっておおわれ, その最表層には粘液分泌細胞と円柱上皮細胞とが混在した. これらの細胞は閉鎖帯,接着帯および接着斑からなる接着複合体と指状篏合により, 密に接着していた. 粘液分泌細胞間と円柱上皮細胞間の閉鎖帯を凍結割断法によるレプリカ像として見ると, 粘液分泌細胞間のものでは物質の漏出を容易に許さない構造と推定された. これに反して, 円柱上皮細胞間のものは桿状体の発達が不充分で, 網状構造の形成不全のために細胞間の物質通過が可能と考えられ, この部分からリンパが尿洞腔へ漏出し, 精漿に加わることができると推定された.
  • 多川 政弘, 植松 一良, 黒川 和雄, 田中 寛
    1983 年 45 巻 3 号 p. 323-329
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Dirofilaria immitis 人工感染における流血抗原 soluble circulating antigen(SCA)の推移をcounterimmunoelectrophoresis(CIEP)を用いて経時的に検査し, また, 同一血清むついて, CIEPと二重免疫拡散法(DD)による抗体の推移もしらべた. D. immitis 人工感染犬血清においては, CIEP によるSCAまたは抗体は, 早いもので感染後1カ月に認められた. 抗原あるいは抗体の示す沈降線は経過とともに消長したが, 常にいずれか一方または両方が検出された. しかし, DDによる抗体の検出成績は, すべての感染犬において不安定であった. D. immitis 感染犬の流血中心は高い頻度でSCAが存在し, また, D. immitis 感染犬でSCAと抗体の両方を同時に検出できるので, CIEPの信頼度は高く, DDやimmudoelectrophoresisにくらべて早く判定できる, など有用性も高いことがわかった.
  • 鈴木 邦夫, 原沢 亮, 吉武 豊, 光岡 知足
    1983 年 45 巻 3 号 p. 331-338
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ラットおよびニワトリにおいて過密と高温ストレスの腸内菌叢, 体重および飼料効率に対する影響について検討した. 過密条件としてはラットを1ゲージあたり25匹とし, 対照は3匹として飼育した. 高温ストレス条件は, ラットの場合は31℃, ニワトリの場合は35℃で飼美し, 対照はいずれも25℃とした. ストレスや宿主の種類にかかわらず, 腸内菌叢では小腸内で好気性菌すなわち staphylococci と, さらに streptococci, enterobacteria および corynebacteria の1または2菌群の増加がみられた. ラットの過密飼育においては, しばしば嫌気性菌の peptococcaceae と bacteroides の増加が, またニワトリの高温飼育においては peptrococcaceae と clostridia の増加が観察された. 大腸内菌叢の変化も小腸の場合と以た傾向を示した. 富主の体重増加と3料効率はこれらストレス条件下で著しく抑制された.
  • 土井 邦雄, 八十島 昭, 北村 和之, 大川 仁, 岡庭 梓
    1983 年 45 巻 3 号 p. 339-346
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    28日間にわたって高コレステロール食(コレステロール3%, コール酸1%, チオウラシル0.3%および硬化油21%を含む)を給餌し, その最初の4日間にビタミンD2(320000IU/kg/day)を経口投与したラットの腹大動脈および冠動脈を電顕的に検索した. この2動脈にみられた変化は本質的に同様で, とくに内膜における脂肪滴を含む泡沫細胞の存在によって特徴づけられていた. 両者間に若干の差は認められ, 冠動脈では微細な線維状および顆粒状物質の沈着, 細胞外脂質結晶の出現および粗面小胞体の顕著な増生を示す平滑筋細胞が目立つのに対して, 腹大動脈では数は異なるが胞体内に脂肪滴を容する平滑筋細胞が目立った. また, 平滑筋細胞および単球がともに泡沫細胞に形態変換し得る可能性が示唆された.
  • 梶川 治, 小山 弘之, 佐々木 卓士, 吉川 尭, 斉藤 博
    1983 年 45 巻 3 号 p. 347-353
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ウシ白血病ウイルス(BLV)抗体を検出する手段として固相酵素免疫測定法(ELISA)について検討を行った. 抗原として glycoprotein (gp)抗原, core protein (p)抗原, さらにgpおよびpを共有する2価抗原の3種類について検討した結果, gp抗原よりもP抗原を用いた場合に高い抗体価が得られ, このとき, 検出される抗体はp抗原に特異抗体であった. つぎに無作為抽出した野外牛114頭についてp抗原を用いたELISAとgp操原を用いたゲル内沈降反応の成績を比較した結果, 両試験成績の約93は一致した. これらの血清についてELISAとゲル内沈降反応のP抗原に対する抗体検出率を比較した結果, ELISAがゲル内沈降反応に比べp抗体の検出感度にすぐれ, かつ高い抗体価を示した.
  • 竹重 都子, 渡辺 腎哉, 五十嵐 英夫, 新垣 正夫, 寺山 武
    1983 年 45 巻 3 号 p. 355-362
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    東京都立芝浦と場に搬入された乳用牛のうち, 剖検上乳房炎の認められた乳房からブドウ球菌(以下ブ菌)を分離し, 分離菌株の生化学性状, エンテロトキシン産生性, コアグラーゼ型別を調べ, ウシ乳房炎由来ブ菌の食中毒起因性について検討した. 乳房炎乳房332検体のうち85検体(25.6%)から分離された87株のブ菌中29株(33.3%)がエンテロトキシンを産生し, このうち24株(82.8%)がC型であった. コアグラーゼ産生菌は87株(100%)で, 86株が型別され, IV型(34.5%), V型(20.7%)が多く認められた. ウシ血漿凝固菌は49株(56.3%)で, フィブリノリジン産生菌は29株(33.3%)であり, β溶血を示したのは83株(95.4%)であった. crystal-violet 寒天上では87株(100%)が A-type の発育を示し, 卵黄反応は40株(46・0%)のみ陽性であった. これらの性状から, ウシ乳房炎由来ブ菌の食中毒起因が示唆された.
  • 石黒 直隆, 久保 勝己, 佐藤 儀平
    1983 年 45 巻 3 号 p. 363-372
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    馬由来2株, 牛由来5株のクェン酸陽性(Cit+)大腸菌計7株について, クェン酸利用性状の伝達性およびプラスミド保有状況を調べた. すべてのCit+大腸菌において, プラスミドの保有はみられたが, その性状は大腸菌K-12株に伝達されなかった. 馬由来2株(OH3025, OH3026)は約60メガダルトンのプラスミドを保有しており, OH3026株のプラスミドは, Citプラスミドであることが判明したが, OH3025株に関しては明らかでなかった. 牛由来5株の内2株(OH3035とOH3036)から調製したプラスミドDNAは, 形質転換実験でCit+株が得られたが, 残りの3株については, プラスミド保有にかかわらず, Cit+株は得られなかった. つぎに, 代表的非伝達性CitプラスミドpOH3035(20.5Kb)を制限酵素により解析し, Cit+性状をpBR322へクローニングした. pOH3035のEcoRI-B fragment(5.5Kb)をクローニングして得た組換えプラスミドpOH8について, Cit+性状の転位性を物理的ないし遺伝学的に検索したが, pOH3035と同様に転位可能なCit+遺伝子は得られなかった. またpOH3035の制限酵素地図をpOH2の地図と比較したところ, 両プラスミドのCit+遺伝子上に, よく以たBamHIおよびBglIIのサイトが見られた.
  • 辻本 元, 長谷川 篤彦, 友田 勇
    1983 年 45 巻 3 号 p. 373-382
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ネコの末梢血液および骨髄中における血液細胞各系統の細胞化学的性状を検討した. 好中球系細胞はperoxidase, naphthol-AS-D-chloroacete esterase, phosphorylase, Sudan black Bおよびperiodic acid Schiffの各染色法において明瞭な陽性反応を示した. 好酸球系細胞は強いacid phos-phatase活性を示した. 単球はalpha-naphthyl acetate, alpha-naphthyl butyrateまたはnaphthol-AS-acetateを基質に用いたesterase染色において特徴的な陽性反応を示した. リンパ球はacid phosphatase, 各種esteraseおよびbetaglucuronidase染色によって陽性のものと陰性のものにわけられた. これらのうち, phosphorylaseおよびperiodic acid Schiff染色における好中球系細胞の陽性反応は成熟細胞において著明であった. 逆に, peroxidase, naphthol-AS-D-chloroacetate esteraseおよびSudan black B染色における好中球系細胞の陽性反応は未熟細胞において顕著であった. 同様に好中球系, 赤芽球系および巨核球細胞におけるacid phosphatase, beta-glucuronidaseおよびdehydrogenaseの各酵素活性は未熟細胞において強い傾向が認められた. 以上のような血液細胞の細胞化学的性状は細胞系統の鑑別および成熟度の判定のための有用な指標となるものと考えられた.
  • 杉山 公安, 磯田 政恵, 富沢 厚
    1983 年 45 巻 3 号 p. 383-385
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    4週齢雄のブロイラー鶏のメッケル憩室先端部に, 2.3×2.0×2.0cm大の腫瘤を認めた. この腫瘤は, 組織学的に3胚葉由来のさまざまな成熟段階の組織からなり, 多くの嚢胞と未分化な線上皮細胞の腫瘍性増殖像を伴っており, 多嚢胞性未熟型奇形腫と診断された.
  • 中井 裕, 扇元 敬司
    1983 年 45 巻 3 号 p. 387-389
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    人工脱殻したEimeria tenella sporozoite虫体内のPAS染色陽性を示す顆粒を細胞化学的に同定した. この顆粒はα-アミラーゼ消化で消失したが, β-アミラーゼ消化では残存した. また, この顆粒はヨード染色陽性を示し, 陽性部の顕微測光法による最大吸光波長は, 貝由来グリコーゲンより, Selenomonas ruminantium 由来アミロペクチンに近い値を示した. これらのことから, PAS陽性顆粒は, アミロペクチンであることが推定された.
  • 田中 緑, 三森 国敏, 真板 敬三, 白須 泰彦
    1983 年 45 巻 3 号 p. 391-394
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    109週齢のFischer系ラット1例に自然発生した, いわゆるendocardial disease類以の病変について電子顕微鏡的に検索した. 本病変は, 心内膜下における紡錘形細胞とそのcell processの平行配列より構成され, これらの細胞およびcell processの周囲は厚さ30-40nmの基底膜によりおおわれていた. 紡錘形細胞の細胞質にはmicrofilamentが散在し,一部のcell processではwrapping構造あるいはpseudomesaxon様構造が観察された. 以上の所見から, これらの紡錘形細胞はSchwann細胞由来であることが示唆され, その形態像は実験的に誘発されたendocardial Schwannomaにほぼ一致するものであった.
  • 山田 隆紹, 小倉 明恵, 井上 順, 辻本 元, 小野 憲一郎, 後藤 直彰, 友田 勇, 藤原 公策, 臼井 和哉
    1983 年 45 巻 3 号 p. 395-399
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    削痩と食欲減退を主訴に来院した14歳の去勢雄シャムネコにマクログロブリン血症を認めた. セルロースアセテート電気泳動による血清蛋白の分析でβ2分画が高値を示し, また免疫電気泳動では強いM-bowが検出された. IgM値はSingle radial immunodiffusionで正常の10倍以上を示し, 超遠心分析で19S相当成分であることが確認された. 組織学的に骨髄細胞の異常増殖は認められなかったが, 脾臓・リンパ節・腎臓および腸で形質細胞やリンパ球様細胞の浸潤がみられ, 免疫蛍光法ではIgM陽性細胞の著増が認められた.
  • 葛野 浩, 宇佐見 英一
    1983 年 45 巻 3 号 p. 401-405
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    非産卵雌鶏を200luxの連続照明下で飼育しラジオテレメトリ方式により体温を連続的に記録したところ, 通常の50lux照明でみられた体温のサーカデアンリズムは消失し約5時間周期のウルトラデアンリズムが出現した. この体温リズムは摂食活動と同期していた. 周期解析の結果ウルトラデアンリズムの周期は200lux条件下においた第8日目と第9日目でそれぞれ5.0と5.4時間であった.
  • 金 徳換, 一条 茂, 小西 辰雄
    1983 年 45 巻 3 号 p. 407-412
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    牛白血病における各臨床型(成牛型, 胸腺型, 仔牛型および皮膚型)の血液とリンパ組織のリンパ球核ポケットの出現頻度とその微細構造を電子顕微鏡的に検索した. 核ポケットは白血病牛の特徴的な所見とは認められなかったが, その出現頻度は白血病牛群が対照群より高く, とくに成牛型に高頻度であった. 核ポケットは幅約41.7~52.0nmで, 通常楕円型のものが多く, リボソームあるいはポリリボソームを有していた.
  • 高倉 裕子, 稲田 七郎
    1983 年 45 巻 3 号 p. 413-416
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    神経学的に正常な1-2歳の成犬についてM波の潜時差を用いる方法によって尺骨神経と脛骨神経の運動神経伝導速度を測定し, その基準値を示した. また, これらの神経によって支配される第2指骨間筋および第5趾骨間筋から誘導されるM波について, 振幅・持続時間・相の数の基準値を近位側刺激時および遠位側刺激時にわけて示した.
  • 田村 豊, 源 宣之, 田中 正三
    1983 年 45 巻 3 号 p. 417-420
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Clostridium chauvoeiの感染防御抗原としての鞭毛の役割を評価するために, 鞭毛欠損変異株の分離を試みた. 対数期の沖縄株をニトロソグアニジンで処理することにより, 17株の鞭毛欠損変異株と, 鞭毛を保有するにかかわらず運動性を欠いたparalyzed変異株6株が分離された. これら変異株は, 鞭毛あるいは運動性を欠く以外は親株の性状と同様であった.
  • 土井 邦雄, 八十島 昭, 大川 仁, 岡庭 梓
    1983 年 45 巻 3 号 p. 421-424
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ビタミンD2(320000IU/kg/day×4days)を負荷したSD系雄ラットの腎糸球体を電顕的に検索した. 糸球体病変は被蓋細胞の変性(足突起消失, ミトコンドリア腫大, 粗面小胞体槽拡張)で特徴づけられ, 変化の顕著な細胞の細胞質には電子密度の高い針状のカルシウム塩の結晶が沈着していた. これらの変化は, カルシウムイオンに富む糸球体炉過液の被蓋細胞に対する直接的な障害作用によるものと考えられた.
  • 和田 功, 湊 良雄, 武下 政一, 子林 孝司, 岡庭 梓
    1983 年 45 巻 3 号 p. 425-430
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    固定状態のよい内耳標本を得るためにモルモットの摘出内耳を各種の固定液で直接灌流固定し, 従来のWittmaack液による生体灌流固定と比較検討した. Wittmaack液で直接灌流した摘出内耳の固定状態はCorti器の有毛細胞の保存性ならびに染色性において生体灌流固定のそれよりもすぐれており, その簡便性と有効性から聴器の形態学的検査法として有用であると考えられた.
  • 吉原 忍, 鈴木 恭
    1983 年 45 巻 3 号 p. 431-434
    発行日: 1983/06/05
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    肝蛭成虫由来の抗原"b"と"c", 成虫抗原と部分的に共通するメタセルカリア由来の抗原"e"およびメタセルカリアに特有な抗原"d"に対する沈降抗体の推移を検討した. この結果, 抗原"d"に反応する沈降抗体はその他の抗原に対する沈降抗体よりも早期に出現し, 早期に消失することが明らかとなった. また, 免疫電気泳動によって, 抗原"d"は陰極側に移動することが判明した.
feedback
Top