抄録
28日間にわたって高コレステロール食(コレステロール3%, コール酸1%, チオウラシル0.3%および硬化油21%を含む)を給餌し, その最初の4日間にビタミンD2(320000IU/kg/day)を経口投与したラットの腹大動脈および冠動脈を電顕的に検索した. この2動脈にみられた変化は本質的に同様で, とくに内膜における脂肪滴を含む泡沫細胞の存在によって特徴づけられていた. 両者間に若干の差は認められ, 冠動脈では微細な線維状および顆粒状物質の沈着, 細胞外脂質結晶の出現および粗面小胞体の顕著な増生を示す平滑筋細胞が目立つのに対して, 腹大動脈では数は異なるが胞体内に脂肪滴を容する平滑筋細胞が目立った. また, 平滑筋細胞および単球がともに泡沫細胞に形態変換し得る可能性が示唆された.