抄録
ゲンタマイシン(GM)1mg(力価)/kgを12頭の去勢子牛に1日2回, 1週間経口投与し, 連続腎臓生検により, 経時的にGM濃度をGM・RIAキットで測定した. 3頭については最終投薬後3時間, 3日, 10日, 15日に, 合計3または4回, 組織を採取した. さらに20日に1頭, 30日に2頭を屠殺解剖して腎臓組織を採取した. 用いた測定法による回収率は95%以上, 20mgの組織で0.05ppmまでの定量が可能であった. 生検組織と生検直後に放血屠殺して得た組織中GMの濃度に差はみられなかった. 生検組織および屠体組織中のGM濃度は全実験期間中ほぼ一致し, いずれもmonoexponentialな減少を示した. 以上の成績から, 連続腎臓生検による残留試験法は有用であると考えられた.