日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ゲンタマイシンをモデル薬剤としたウシ連続腎臓生検による残留試験法
高橋 雄二城戸 靖雅直井 昌之小久江 栄一
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1985 年 47 巻 2 号 p. 179-183

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抄録
ゲンタマイシン(GM)1mg(力価)/kgを12頭の去勢子牛に1日2回, 1週間経口投与し, 連続腎臓生検により, 経時的にGM濃度をGM・RIAキットで測定した. 3頭については最終投薬後3時間, 3日, 10日, 15日に, 合計3または4回, 組織を採取した. さらに20日に1頭, 30日に2頭を屠殺解剖して腎臓組織を採取した. 用いた測定法による回収率は95%以上, 20mgの組織で0.05ppmまでの定量が可能であった. 生検組織と生検直後に放血屠殺して得た組織中GMの濃度に差はみられなかった. 生検組織および屠体組織中のGM濃度は全実験期間中ほぼ一致し, いずれもmonoexponentialな減少を示した. 以上の成績から, 連続腎臓生検による残留試験法は有用であると考えられた.
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