抄録
牛において, 単シナプス性反射(H波)と考えられる反射性誘発筋活動電位(REMP)を導出した. 総腓骨神経(近位では坐骨神経)を矩形波で刺激し, 第3月腓骨筋から誘発筋活動電位を針電極で記録した. REMPはM波(直達性筋活動電位)のあとに低閾値で発現し, 刺激電圧を順次上げていったときM波が最大振幅に達する以前に消失した. 潜時は刺激部位を近位から遠位に移すと, かえって延長した. さらに, 同一筋から導出したT波はREMPと波形, 持続時間は相似であったが, 潜時はやや長かった. また, 刺激部位より近位の神経遮断によりREMPは消失した.