抄録
単核細胞から単球を除去するために, イースト貪食による単球除去法を検討した. 血液にイースト液(8×108/ml)を1/10量加え, 37℃1時間後, リンパ球を分離した(単球混入率0.8±0.7℃(mean±SD), 回収率53%). T.Bリンパ球比には明らかな差は認められなかった. 単球除去によりマイトージェン(ConA, PHA, PWM)に対するリンパ球幼若化は有意に抑制された. また幼若化に及ぼすインドメタシン(PGE阻害), 2-クロロアデノシン(単球抑制), マイトマイシンC(代謝阻害)などの代謝阻害物質の影響を検討した. 単核細胞へのインドメタシン処理は幼若化を著明に促進し, 2-クロロアデノシン, マイトマイシン処理では幼若化を有意に抑制した. 以上から, イースト貪食は単球除去に応用可能な方法であり, 単球はリンパ球幼若化に密接に関与していることが確認され, この役割を担っている物質の一つにプロスタグランディンが考えられた.