日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ネコ・イヌのアンチスロンビンIIIの電気泳動的解析, 血漿中濃度および活性について
杉山 文博古川 敏紀
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1985 年 47 巻 6 号 p. 987-994

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抄録
小出の方法[14]に従って, ネコ・イヌ血漿アンチスロンビンIII(AT III)の分離・精製を試みた. イヌの場合には, イオン交換クロマトグラフィーを必要とした. ネコおよびイヌAT IIIの電気泳動像は近似し, 分子量はネコ・イヌとも約62,000, 等電点はネコで4.70と4.75, イヌで4.70, 4.75および4.80であった. これらAT IIIはヘパリン存在でトロンビンの抑制を促進させた. 両種のAT IIIに対する特異抗血清はイヌおよびネコ血漿と反応したが, ヒト, ニホンザル, ラットおよびマウス血漿とは反応しなかった. Laurellのelectroimmuno assayで測定した血漿中AT III濃度はネコでは0.50±0.1g/l, イヌでは0.49±0.1g/lであり, まだ酵素活性法で測定したheparin cofactor activityはネコでは198.57±33.1 NIH U/ml, イヌでは178.51±26.0 NIH U/mlであった.
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