日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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実験的子牛下痢症に対する免疫グロブリン経口投与の防御効果
村上 敏明平野 紀夫井上 玲千歳 健一土屋 耕太郎小野 勝彦内藤 善久柳原 敬
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1986 年 48 巻 2 号 p. 237-245

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抄録
牛ロタウイルス(BRV)および牛コロナウイルス(BCV)で免疫した牛の血清およびプール初乳々清から得たrグロブリン分画を植物油等と乳化し, 人工初乳(AC)を作成した。本試験では初乳未摂取の子牛へのBRVおよびBCVの実験的感染に対するACの防御能をしらべた。子牛 No.1および No.2へはBRVおよびBCVを, No.3, 4, 5へはBCVを, 何れも大腸菌K99(+) Ent(+)と混合して経口攻撃した。ACを全く与えないNo.1およびNo.3は攻撃後下痢を発した。しかし攻撃前後に数回ACを投与した子牛No.2, および攻撃後30分以内に1回ACを投与した子牛No.5は全く下痢を示さなかった。攻撃4時間後に1回ACを投与した子牛No.4は一過性の下痢を示した。下痢の程度および下痢の阻止は, 投与ACに由来した, 100時間令前後の子牛血中の免疫グロブリン濃度およびウイルス抗体価と大よそ対応していた。
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