抄録
健常ビーグル成犬から得た肺洗浄細胞を Percoll不連続密度勾配重層遠沈により3つの画分に分離し, これらの各画分のプラスチックプレート付着性肺胞マクロファージ(AM)をLPSあるいはシリカ粒子で刺激・培養すると, 低密度画分AMが高いインターロイキン1 (IL-1)活性を示した。一方, マイトジェンによる気管支リンパ節リンパ球の幼若化応答に対する各画分の効果を検討したところ, PHAではすべてのAMが増強効果を, Con Aでは高密度画分AMを除き抑制効果を示した。抑制効果は, インドメサシン添加により阻止されたことから, プロスタグランジンEによるものと考えられた。以上からイヌの肺胞マクロファージに免疫学的機能の異なる亜群の存在が示唆された。