日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ハムスター腺性下垂体の細胞分化に関する免疫細胞化学的研究
見上 晋一伊藤 純一谷口 和之山田 静弘
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1986 年 48 巻 6 号 p. 1161-1172

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抄録

ハムスター胎仔および新生仔について, 各種下垂体前葉細胞の出現時期, 局在性, 発生に伴う分布の変化等を免疫細胞化学的に検索し, また視床下部-下垂体系の発達との関係について検討した。胎齢11日にはAtwell突起が発達し, その細胞が抗LH血清に対して陽性を示した。胎齢12.5日には下垂体前葉にLH細胞, ACTH細胞, TSH細胞が同時に出現した。胎齢14日にはFSH細胞が出現し, その一部は抗LH血清にも陽性を示した。胎齢15日にはGH細胞が出現したが, PRL細胞は生後3日に初めて出現した。下垂体隆起部にはLH陽性細胞が含まれていた。また, 胎齢12.5日の視索前野にはLHRH細胞が, 弓状核にはソマトスタチン細胞が出現し, 下垂体前葉におけるLH細胞およびGH細胞の分化に影響する可能性が示唆された。

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