日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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わが国の各種動物から分離された Staphylococcus aureusおよび Staphylococcus intermediusの生物型別
清水 晃河野 潤一木村 重
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1986 年 48 巻 6 号 p. 1227-1235

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抄録
Hajek & Marsalekの提案した生物型分類法を, わが国のヒ卜および17種類の健康・症例動物から分離したコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の2菌種1,708株に応用した。ヒト, ウシ, ヤギ, ウマ, ブタ, イヌ, ニワトリ, ウズラ, ハト, ウサギ, マウス, ヌードマウス, モルモット, ラット, ドブネズミ, クマネズミ, ハツカネズミ, フェレット由来 S. aureus 1,541株中1,303株(84.6%)は生物型A, B, CおよびDのいずれかに型別され, また由来動物種によって生物型の分布に多少の違いのあることが示された。ウマ, イヌ, ハト由来 S. intermedius 167株はすべて生物型Eに属した。本法では型別できなかったS. aureus 238株(特にげっ歯類由来株に多くみられた)のうち, 202株はすべて同一性状を示し, フィブリノリジン, 色素産生, ヒ卜およびウシ血漿凝固性, DNase, 卵黄因子, Tween 80水解性陽性であった。しかしクリスタル紫加寒天平板上における増殖型と溶血型はいずれも不定であった。該株は生物型A(ヒト由来株)と生物型C(ウシ, ヒツジ由来株)の中間的性状を示していた。フィブリノリジン(+), 黄色色素(+), ヒ卜およびウシ血漿凝固性(+), 溶血型(不定), クリスタル紫加寒天平板上における増殖型(不定)の性状を有する菌を, Hajek & Marsalekの生物型分類に新しい生物型Gとして追加することを提案したい。
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