抄録
12例の子牛に見られた先天性および周産期小脳異常を形態学的に4型に分類した。12例中3例は皮質組織の異所結節あるいは1脳回に限局した顆粒およびプルキンエ細胞層の欠損などの軽微な組織奇形を示し, アカバネ病と診断された。他の2例では左右小脳半球における部分的な対称性組織欠損がみられた。別の3例および4例は, それぞれ小脳低形成および小脳変性を示し, 小脳低形成はウイルス性下痢症-粘膜病ウイルス感染によるものと考えられたが, 小脳変性の病理発生は一様ではなく, 周産期低酸素症あるいは脳室形成異常に基づく頭蓋内圧亢進によって惹起された症例が含まれるものと思われた。