日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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ラット胎仔の除脳あるいは下垂体除去による甲状腺濾胞細胞の微細構造の変化
江口 保暢白井 明志有嶋 和義山本 雅子植田 安寛
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1987 年 49 巻 3 号 p. 419-426

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抄録
ラットの妊娠16日~19日に子宮内胎仔の除脳 (脳を吸引除去し, 下垂体はそのまま残す) あるいは下垂体除去 (脳とともに下垂体も吸引除去) を行い, 2日後の甲状腺濾胞細胞の微細構造の変化を調べた。下垂体除去胎仔では, 対照と比べて甲状腺重量は減じ, 濾胞細胞の「核/細胞」面積比が増加し、「粗面小胞体/細胞質」面積比は減少した。濾胞細胞は扁平となり, 粗面小胞体は縮小し, 濾胞腔面の微じゅう毛が短縮した。除脳胎仔では, 対照と比べて, 濾胞細胞にはほとんど変化が見られなかった。以上の所見から, ラット胎仔の下垂体・甲状腺系は, 視床下部による支配を受けていないと考えられた。
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© 社団法人 日本獣医学会
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