抄録
Eimeria tenella標準株(NIAH)を親株とし,その早熟性オーシストの選抜継代によって性状の異なる早熟株を確立した. この早熟株の20代選抜継代株を用い生体内原虫の形態的な観察と宿主に対する病原性を調べた結果,プレパテントピリオドは,親株と比較し1日強短縮され,感染後112時間にオーシストが確認された. 形態的に,各世代ともシゾゴニー期(シゾント)の原虫の発育は,促進されており,このことはin vitro培養においても確認された. さらに,第2代シゾントは,親株に比較し小型化し粘膜固有層に散在していた. 一方,病原性は,親株に比較し有意に低下したが,オーシスト産生能は維持されていた.