日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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イヌの多形核白血球の形状に及ぼす血清の影響
廣田 好和吉川 康一長谷川 篤彦友田 勇
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1988 年 50 巻 2 号 p. 481-488

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抄録
健常ビーグル成犬の末梢血多形核白血球(PMN)の形状に及ぼす血清の影響について検索した. 自己,または同種新鮮血清に浮遊したPMNを3℃に静置すると,1~5分以内にPMNは球形から卵円形,有棘形,あるいは偏心状の細胞に変形した. このような変形は,ザイモザンで活性化した血清およびカゼインに浮遊したPMNにおいて観察される形状変化と同じであった. 変形細胞の出現比率は,PMNを10%血清に5分間浮遊した場合に最大であった(約68%). 好中球の変形は,好酸球のそれに比して迅速で,変形細胞出現率も高かった. さらに,血清を56℃で30分間加熱処理しても,PMN中の変形細胞発現率は変らなかった.
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© 社団法人 日本獣医学会
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