1988 年 50 巻 3 号 p. 692-698
豚の増殖性腸炎由来Campylobacter mucosalis (CM)及びCampylobacter hyointestinalis (CH)の可溶性菌体蛋白質のポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンを9種12株のCampylobacter参照株と比較した. 供試した参照株は各菌種とも特有の泳動パターンを示した. CM, CHについてもそれぞれ特徴的な泳動パターンが認められ他菌種と明らかに区別された. しかし, 血清型の異なるCM菌株間及びCH野外死亡例由来菌株と屠場材料由来菌株との問の泳動パターンの差は認められなかった. ポリアクリルアミドゲル電気泳動による可溶性菌体蛋白質パターンの分析はCampylobacter属菌の同定に有用な手段となることが明らかとなった.