1988 年 50 巻 3 号 p. 699-705
ネコ白血病ウイルス(FeLV)感染ネコの末梢血から得られたIgG-Fcレセプター保有Tリンパ球(Tγ細胞)および非保有Tリンパ球(Tnon-γ細胞)について, Tリンパ球に対する比率およびサプレッサーあるいはヘルパー活性を検討した. FeLV感染ネコ5頭から得られたTリンパ球におけるTγ細胞の比率は健常ネコのそれと比較して有意差はなかった. FeLV感染ネコのTγ細胞は, concanavalin A刺激リンパ球幼若化反応およびpokeweed mitogen刺激プラーク形成細胞反応において, 健常ネコのTγ細胞と同程度のサプレッサー活性を示した. 一方, FeLV感染ネコのTnon-γ細胞は, 健常ネコのTnon-γ細胞と比較して低いヘルパー活性を示した.