抄録
埼玉県および千葉県より搬入された壺形吸虫寄生猫4頭の糞便中に排他される虫卵数と腸管内の寄生虫体数との関連および壺形吸虫の産卵能力と糞便検査による検出限界について検討した。その結果, 本吸虫のEPDPW (eggs per day per worm)は, 約1,000個であった。また, 本吸虫1隻寄生の場合に, 通常, 糞便量0.5gを用いたMGL法により検出できる虫卵数は, 平均19.1個 (範囲6.5~34.4個)となり, 本法は, たとえ少数寄生であっても本吸虫の寄生を確認する上で, 極めて確実性が高い。