日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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C57BL/6マウスの生殖腺の組織発生における雌雄の性索形成について
金井 克晃九郎丸 正道林 良博西田 隆雄
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1989 年 51 巻 1 号 p. 7-16

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抄録
C57BL/6マウスの生殖腺の組織発生に伴う精巣索・生殖細胞索の形成過程を観察し,その性索を構成する体細胞(セルトリ細胞,卵胞上皮細胞)の起源について調べた.雌雄の性索の形成時期は異っているが,その形成に間葉系の細胞群が大きな役割を果していることを確認した.雄においては,前セルトリ細胞のマーカーとしてPAS反応が有効な方法であることが認められた.PAS反応を施した未分化期の標本観察から,セルトリ細胞の起源が中腎由来であることが明らかにされた.PAS反応は精巣の組織形成の追求に,また,早期の性別判定にも有効な手段であると考えられた.雌の卵胞上皮細胞の起源は主に中腎組織であり,体腔上皮由来の細胞群も一部それに含まれていると考えられた.
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