1989 年 51 巻 5 号 p. 961-968
我々は, ウシ(ジャージ種)初乳中に初めて水溶性の(α1-3)ガラクトシルトランスフェラーゼ活性を見出だし, ρ-ニトロフェニル-β-ラクトシドを受溶体に用いることで容易に検出できることを明らかにした. アイソトープラベルした酵素反応生成物は, α-ガラクトシダーゼによってのみ分解され, 又, メチル化, 加水分解, 薄層クロマトグラフィーによって, ガラクトースがρ-ニトロフェニル-β-ラクトシドの非還元末端側ガラクトースのC-3にα-結合していることが明らかになった. 更に, この酵素は, Mn2+イオンを必要とし, 至適pHは, 6.5から7.5であった. しかし, この酵素は, ヒ卜のO型赤血球をB型活性血球に変換することは出来ず, ヒト血液型のB合成酵素とは異なるものであることが明らかになった.