抄録
継代歴の異なる豚伝染性胃腸炎ウイルス9株の豚腎初代細胞(SK)と豚腎由来株化細胞: CPK, IB-RS-2, ESK, PK-15での増殖性について比較した. 株化細胞のうち, CPKは最も感受性が高く, すべてのウイルス株がCPKでのみ, SKと同様にCPEを伴って増殖し, プラックの形成率も高かった. CPK細胞を用いてトリプシン(5μg/ml)のウイルス増殖への影響を調べた. その結果, 接種前のウイルスはいずれもトリプシンに対して高い感受性を示したが, その度合は株間に差異がみられた. ウイルス吸着後に加えた培養液にトリプシンを添加したところTO-163, 浮羽, 新潟株ではプラック数が2.6~3.5倍に増加した. ウイルス侵入後, 感染細胞に重層した寒天培地にトリプシンを添加したところ, いずれのウイルス株でもプラック数の増加はほとんどみられなかった. しかしTO-163, h-5, 浮羽, 新潟株では, プラックサイズが1.4~1.7倍に拡大した.