抄録
実験的大脳皮質壊死症の脳波面での変化を観察するため, 7-17月齢のサホーク種めん羊9頭および4-7月齢のホルスタイン種牛4頭を使用し, そのうちめん羊6頭および牛4頭にアンプロリウム(600 mg/kg/day)のみを, さらに対照としてめん羊2頭にアンプロリウムとチアミン(200 mg/day)を同時に, 同じく残りのめん羊1頭にチアミン(50 mg/day)のみを第一胃内に投与した. アンプロリウムのみを投与した動物すべてが神経症状と異常脳波を示した. 異状脳波は持続的な汎性徐波と持続の長い紡錘波とからなっていた. これらの異常は神経症状発現前にもみられた. 紡錘波は徐波あるいは鋭(又は棘)・徐波複合からなり, これに痙攣発作が同期してみられる場合とみられない場合とが痙攣期においても認められた. 逆に, 痙攣発作はこの紡錘波に同期してみられる場合と汎性徐波下でみられる場合とがあった.