抄録
鶏末梢血より得た栓球の抽出物(TE)と栓球培養上清(TSP)について, これらの鶏胚線維芽細胞(CEF)に対する増殖活性を調べた. TE及びTSPを添加してCEFを培養したところ, 約1時間後に細胞の顕著な接着伸展が観察された. また, 培養後3~6日で, 試料不添加群と比較して, TE及びTSP添加群の細胞数が有意に増加した. また, それらの細胞数はTE及びTSPのタンパク濃度に依存して増加することを確認した. 以上の成績は, 鶏栓球が放出する産物の中に, CEFの接着伸展ならびに増殖を促進する因子の存在することを示唆している.