可視化情報学会誌
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固体高分子形燃料電池における可視化技術への期待
―水移送特性とMEA性能―
福永 明彦鈴木 修一
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2011 年 31 巻 123 号 p. 134-138

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抄録
近年、エネルギーの有効活用及び二酸化炭素排出量低減の観点から家庭用燃料電池システムへの注目が高まり、2008年から「エネファーム」として商品化されている。その燃料電池システムの心臓部である、固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料水素と空気中の酸素との化学反応により発電を行てっいる。その特性上、生成水の電極間の移動が性能を大きく左右する。本研究では、運転条件の違いによる、アノード極、カソード極への水移送の変化を求めた。その結果、燃料電池特性は、極間の水移送と関連することを示した。また、連続運転においては、面内の電流分布が偏りを見せ、電圧低下を生じる例を示した。このように、電極内部の水分布は、燃料電池性能と関連が深く、その状態を視覚的掴むことが、燃料電池特性を理解するために有用である。
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© 2011 社団法人 可視化情報学会
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