2022 年 42 巻 163 号 p. 15-18
本報では,超音波パルスエコグラフィーを用いた気泡流の計測技術をいくつか実用例を挙げながら説明する.この計測技術は気泡径によって計測原理が異なってくる.ミリサイズ以上の気泡の場合は,個々の気泡から反射されるエコーを区別でき,エコー波形の分析より個々の気泡の情報(気泡径や速度など)を取り出すことができる.また,これらの情報を積分することで,気相の体積流量を推定することも可能である.一方,サブミリサイズの微小気泡では,個々の気泡からのエコーが重なり気泡の区別ができないため,流路内のバルク平均として気泡径とボイド率を推定する.本報の後半には,本計測法の計測対象を固気液三相流へと拡張するための,三相流内物体の相を判別する方法を提案する.