2022 年 42 巻 163 号 p. 23-26
格子ボルツマン法(LBM)は,数値流体力学(CFD)の手法の一つである.LBMの進歩と密接に関係する分野の一つが混相流である.LBMは気体分子動力学のアナロジーに基づいたメゾスコピックな数値計算法であり,界面ダイナミクスや相転移を伴う多相系のシミュレーションに適している.LBMは,そのメゾスコピックな特性から,マルチスケール現象である沸騰に対して,有望な解法の一つと考えられる.本原稿では,LBMの応用例の一つとして,沸騰に対する擬ポテンシャルモデルに基づく方法論と,シミュレーション結果の一例を紹介する.