抄録
本稿は実用的寸法のゴムガスケットの圧縮比とリークとの関係について試験した結果について述べたものである。試料の材料として、アクリル・ニトリル・ブタジェン系、クロロプレン系、天然ゴムおよびシリコンゴムの四種、また、ガスケットの断面形状は円形、正方形および甲丸の三種、硬度は30から90まで七種類について、夫々の試料を5個ずつ総計420の継目なしのガスケットを試作した。
ガスケットのリークについては所謂リークと、透過とがある。前者は、ガスケット表面と、ガスケット座表面との接触面のすきまを通すリークであり、後者はガスケット材料自身を透過して、もれ込むリークである。この両者は実験的に明らかに区別し得るもので、前者はゴムを10~15%圧縮すれば、そのリークは1×10-9mmHgl/sec以下にすることが出来ることを述べ、後者については, 真空および大気にさらされるガスケットの表面積を小さくすることにより、小さくし得ることを実験的事実から示嗟したものである。