2022 年 21 巻 2 号 p. 183-190
本研究は狭小地・未接道地や低未利用地の解消の手段である隣地統合を自治体等が費用支援する隣地統合事業に着目した。自治体等の事業実績や推進に向けての取組、隣地統合による建物更新の実態を明らかにすることを目的とした。14自治体等へのアンケート調査の結果から、隣地統合時の建物の除却・建替の要件が実績に関係していることが分かった。事業の周知に向けて、統合時に建物の除却・建替を要件に課していない自治体等は不動産事業者やNPOとの連携を、統合時に建物除却を要件に課している自治体はそれに加え、空き家解消を目的に納税通知書への事業紹介資料の同封を行っている。個別事例5件中、隣地統合により建築可能な最低敷地面積を満たした土地は4件みられ、その内の2件で耐火建築物等又は準耐火建造物への建替えが行われた。