真空
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Czochralskiシリコン結晶中の空洞核形成機構の考察
山中 陽一郎棚橋 克人三箇山 毅井上 直久森 篤史
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2002 年 45 巻 1 号 p. 32-35

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抄録

成長シリコン中の空洞欠陥の均一核形成モデルの問題点を定量的に解析した.そして不均一核形成モデルを提案した.酸化物析出物が空洞欠陥の不均一核でありこれもまた不均一核形成により形成されることを提案した.そしてその核の候補として炭素が考えられると提案した.空孔の過飽和のみによる均一核形成モデルに代わる物としては, ここで議論した不均一核形成モデルの他に, 均一核形成との中間に多成分系均一核形成といったものも考えられる.不均一核形成に関しては, 逸見は不均一核の存在を提案したがその核が何かは述べていない.Rozgonyiは, 空孔-酸素クラスタが原因であると考えた (多成分均一核形成).いずれにしても, Voronkovの提案した空孔のみの過飽和に代わり酸素の関与を指摘しているという点で共通している.Voronkovもまた最近, 均一核形成モデルを撤回し, 空孔-酸素クラスタという多成分均一核形成または酸素析出の先行という不均一核形成説を述べている.本研究の一部は学振未来開拓事業の援助を受けている.

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