Journal of the Vacuum Society of Japan
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真空技術の先駆者としてのグエリケの業績と生涯
宮原 昭
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2009 年 52 巻 2 号 p. 85-91

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抄録

  真空の科学と技術,大気の圧力の研究などのグエリケの業績は大変大きいにも関わらず,その全貌は不十分にしか紹介されていなかった.これは一つには彼が馬を用いて行ったマグデブルグの半球の実験があまりにも有名すぎたせいかもしれない.特にこの事情は我が国において著しいので,著者は 1. 叙説に続く 2. において現在得られる情報によりグエリケの伝記の概略を紹介することを試みた.さらに 3. において,彼の著作を中心に科学的業績について略説する.最後に 4. の結語において今後検討すべき課題について述べる.なお日本の文献は殆どが生まれたときの名前である Otto Gericke の姓であるゲーリケと書いてあるのに,本稿では“グエリケ”としたのは,現在欧米の文献は1666年の神聖ローマ帝国貴族の叙爵後の名前である Otto von Guericke を用いているから,それに従ったのである.

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© 2009 一般社団法人日本真空学会
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