抄録
夏期の暑熱と経営規模の差異が, 種雌豚の繁殖性に及ぼす影響を知るため, 熊本県内の養豚農家6戸の実態を調査した。
1) 調査年次は, 低温に推移し持に盛夏期は平年より平均1.5℃低い冷夏であった。
2) しかしながら, 夏期の繁殖成績は全般に劣り, 暑熱は冷夏にあっても豚の繁殖性にかなりの悪影響を及ぼしたと思われる。
3) 高原地帯における繁殖成績は, 平担 (水田・畑作) 地帯の成績を上回る傾向にあった。
4) 従って, 平年次における夏季の暑熱は, 豚の繁殖性に相当の悪影響を及ぼしていると推測され, 防暑対策の改善, 検討が望まれる。
5) また, 冬期の成績は夏に次いで悪い結果を示しており, 西南暖地にあっても寒冷対策もおろそかにできない。
6) 大規模農家では.分娩子豚数, 分娩回転率において小規模農家の成績を上回った。
7) 一方, 小規模農家は, 子豚育成率において大規模農家の成績を上回った。
8) 種雌豚1頭当り年間子豚生産頭数は, 大規模農家で16.2頭, 小規模農家では14.4頭であった。