抄録
給与飼料が乳期により異なる条件下で混合給与時 (Mx群) の泌乳前期, 中期と後期 (それぞれMx-E群6頭, Mx-M群4頭, Mx-L群4頭) および泌乳前期における混合および分離給与 (Sp-E群4頭) の飼料給与方式が行動に与える影響を検討した.Mx群において, 採食・反芻・休息時間に泌乳期による差は見られなかったが, Mx-E群は, 採食・飲水頻度がMx-MおよびMx-L群よりも高く, 排尿頻度がMx-L群よりも高かった.給飼方式による違いを比較すると, Mx-E群はSp-E群よりも, 反芻時間が短く, 横臥休息時間が長かった.また, 採食頻度および飲水頻度はMx-E群の方がSp-E群よりも高かった.これらのMx-E群とSp-E群の行動の違いは粗飼料の切断の影響と考えられた.また飼料給与方式は行動パターンにも影響を与え, Mx-E群はSp-E群よりも, 夜間の採食時間が長く反芻時間が短かった.1乳期の泌乳量はMx群 (7433kg) の方がSp群 (6222kg) よりも高かった.