水資源・環境研究
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研究ノート
冠島(京都府)における海洋ごみの現状について 第2報
漂着ペットボトルの製造国別割合を中心に
原田 禎夫
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2018 年 31 巻 1 号 p. 66-71

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抄録
近年、急速に深刻化する海洋ごみ問題は、海のプラスチック汚染ともいうべき状況にあり、プラスチックごみの海洋への流出を防ぐための国際的な対策も急速に進みつつある。本研究では、オオミズナギドリの繁殖地として天然記念物の指定を受けている京都府舞鶴市の冠島とその対岸の野原地区で2017年9月に実施した飲料用ペットボトルを指標とした流出地の推定について報告する。2つの調査地点におけるペットボトルは、冠島では59.4%、野原地区では49.2%を日本製のものが占めており、環境省が2016年に実施した調査と比較しても日本製のペットボトルが多くを占める結果となった。また、特に日本製ペットボトルの特徴として、小型ペットボトルが占める割合が極めて高く、これは全国的な傾向と同じであった。小型ペットボトルが市場シェアの大半を占める国内での有効な発生抑制対策として、早急なペットボトルのデポジット制度の導入が望まれる。
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