抄録
産業公害を克服し、快適都市づくりの段階へと移行しようとする都市がある。快適都市づくりのためには快適性の定量化が必要となるが、住民の抱く都市の快適性についての情報を把握していないため、総花的な計画にとどまっている例が多い。
住環境の快適性を定量化する方法として、快適性を経済的尺度であらわそうとするCVM(Contingent Valuation Method)と、直接的に快適性を定量化しようとする方法がある。快適性の尺度として、筆者らはこれまでに住民が住環境に対して抱く快適性を快適度という尺度で表す方法を提案してきた。本稿では、調査結果から得られた都市施設の快適性についての二面性、自宅までの距離と快適度の関係や住民属性と快適度との関係について論じ、快適度調査手法を用いた.住環境改善の手順を示す。また、尺度としての快適度の特性をCVMと比較を行う。