水資源・環境研究
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問題認識・解決ツールとしての「エコロジカル・フットプリント」指標
「オーバーシュート」を感知する新パースペクティブ
和田 喜彦
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2001 年 2001 巻 14 号 p. 36-44

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抄録
地球環境問題の本質は、環境収容力を超える量の資源が引き出されていること、すなわちオーバーシュートが発生していることである。しかし、オーバーシュートを感知するための有効な指標が存在しなかったため、問題認識が一部でしか共有されてこなかった。これが問題の根本的解決を遅らせている原因である。新しい指標の必要性に応えるためにエコロジカル・フットプリント指標がカナダで開発された。エコロジカル・フットプリントの計測によると、日本人と同レベルの資源消費を地球の全人囗が行えば、地球が約2.3個分必要となる。別の研究から分かってきたことは、人間経済活動による資源消費量は、地球生態系の環境収容力を既に30パーセント程度超過していることだ。アンケート結果などによると、エコロジカル・フットプリントは、オーバーシュートという問題を認識・共有するための有効なツールであると言えそうだ。
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© 水資源・環境学会
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