2025 年 2 巻 p. 10-15
【目的】本研究目的は,産後腰痛患者の性生活障害度に関連する因子について調査することである。 【方法】妊娠や育児動作を誘因に腰痛を発症した産後腰痛患者22例に対して,リハビリ初回時に,性生活障害度の指標としてOswestry Disability Indexの性生活障害の設問である問8(以下,ODI-8),患者特性,脊椎アライメントを評価した。統計解析は,ODI-8の障害度に関連する因子について,患者特性および脊椎アライメントを独立変数として,ステップワイズ法による重回帰分析で解析した(有意水準5%)。 【結果】対象者の68%が腰痛により性生活障害を有していた。ODI-8の障害度には,妊娠中からの腰痛既往の有無(標準偏回帰係数b = 0.43),腰椎前弯角(b = –0.48)が関連していた。【結論】産後腰痛患者において,妊娠中から腰痛を有し,腰椎前弯角が減少した症例は性生活障害度が高い可能性がある。