女性とジェンダーの歴史
Online ISSN : 2436-049X
Print ISSN : 2188-4331
書評論文
イギリスジェンダー史から見るクラウディア・ゴールディンの業績
―『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』を中心に―
奥田 伸子
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2026 年 13 巻 p. 41-55

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抄録

 2023年のノーベル経済学賞受賞者であるクラウディア・ゴールディンの『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』を中心にイギリス労働史、ジェンダー史の立場から彼女の業績を紹介、コメントする。1990年に出版された19世紀初めから1980年前後までの約150年間の女性労働に関する研究Understanding the Gender Gapを紹介した後、『なぜ男女の賃金に格差があるのか』の内容を「コーホートへの着目」、「静かな革命」、「どん欲な仕事(Greedy work)」の3点を中心に概観する。イギリス史の立場からコーホートに着目する研究の可能性に言及するとともに、20世紀後半における有配偶女性の労働力化や女性の職業意識の変化に疑問を呈する研究を紹介する。女性労働力率のU字型曲線については、下降局面の研究が十分でないことを指摘し、近世における研究との一層の連携の必要性を指摘した。

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© 2026 イギリス女性史研究会
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