木材保存
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研究論文
塗装木材に関する屋外暴露試験と促進耐候性試験の相関
石川 敦子片岡 厚川元 スミレ松永 正弘小林 正彦木口 実
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2014 年 40 巻 2 号 p. 55-63

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抄録

木材保護塗料(水性7種類,油性2種類)で塗装されたスギ心材を試料として,キセノンランプ法(JIS K5600-7-7)と紫外線蛍光ランプ法(EN 927-6)による促進耐候性試験を実施し,屋外暴露試験(つくば市,南面45度傾斜)に対する相関性・促進性を評価した。試料の変色と撥水度の変化を比較・解析した結果,屋外暴露試験の2年間に相当するキセノンランプ法の試験期間が約2500時間(促進倍率:約7.0倍)であり,紫外線蛍光ランプ法では約12週間(同:約8.7倍)であることが示された。また,木材の塗装の有無や塗料のタイプによる違いについては,無塗装材と油性塗料については,屋外暴露試験における色差・撥水度の変化傾向を良く再現できる点でキセノンランプ法が適し,水性塗料については,屋外暴露試験における色差の変化傾向と撥水度の性能順位を良く再現できる点で紫外線蛍光ランプ法が適することを明らかにした。

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© 2014 公益社団法人 日本木材保存協会
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